2007年 12月 05日
covered up with my coat |
祖母は祖父の後添えだった。
幼い男の子ふたりと共に夫に旅立たれた祖母を
妻を亡くした祖父が引き取った。
祖母は祖父の妻の妹だった。
昔はこういう話が珍しくなかった。
祖母は自分の命が短いとわかってから
近しい人や自分のノートに岩倉の墓に入りたいと意思を表した。
岩倉は祖母の最初の夫がひとりで眠る墓。
小学生の私は祖母に連れられてその墓に参ったことがある。
誰のお墓かと問う私に、祖母は「大切な人」と言った。
その祖母の意思は結局は叶わなかった。
戸籍が違う
宗派が違う
その墓を守る人がいない
分骨をするために破格の費用がかかる
祖母は祖父の元妻で自分の姉が眠る墓に納められた。
祖父が亡くなれば三人でひとつの墓に入る。
祖母と祖父がどんな生活だったのか
私には孫の目からしかわからない。
母が祖母を「お母さん」と呼べなかった理由も
そこにあるのかはわからない。
でもやはり
私にとっての祖母はただひとりであるし
祖母の仕事が終わるのを待って
職場から出てきて自分のマフラーを私にかけてくれ
いっしょに中華料理を食べにいった、
その優しい祖母は私には宝だった。
小高い場所にある墓まで歩いていけない祖父と
車の中で待っていた私は
母に代わるよと言われて墓まで歩いていき
お線香をあげながら
願いを叶えてあげられなかったことを詫びた。
11月23日 納骨の日。
本日の一曲
全部だきしめて / 吉田拓郎
世界の車窓カレンダー 12月
ヘルシンキ中央駅 国際急行列車シベリウス号
幼い男の子ふたりと共に夫に旅立たれた祖母を
妻を亡くした祖父が引き取った。
祖母は祖父の妻の妹だった。
昔はこういう話が珍しくなかった。
祖母は自分の命が短いとわかってから
近しい人や自分のノートに岩倉の墓に入りたいと意思を表した。
岩倉は祖母の最初の夫がひとりで眠る墓。
小学生の私は祖母に連れられてその墓に参ったことがある。
誰のお墓かと問う私に、祖母は「大切な人」と言った。
その祖母の意思は結局は叶わなかった。
戸籍が違う
宗派が違う
その墓を守る人がいない
分骨をするために破格の費用がかかる
祖母は祖父の元妻で自分の姉が眠る墓に納められた。
祖父が亡くなれば三人でひとつの墓に入る。
祖母と祖父がどんな生活だったのか
私には孫の目からしかわからない。
母が祖母を「お母さん」と呼べなかった理由も
そこにあるのかはわからない。
でもやはり
私にとっての祖母はただひとりであるし
祖母の仕事が終わるのを待って
職場から出てきて自分のマフラーを私にかけてくれ
いっしょに中華料理を食べにいった、
その優しい祖母は私には宝だった。
小高い場所にある墓まで歩いていけない祖父と
車の中で待っていた私は
母に代わるよと言われて墓まで歩いていき
お線香をあげながら
願いを叶えてあげられなかったことを詫びた。
11月23日 納骨の日。
本日の一曲
全部だきしめて / 吉田拓郎
世界の車窓カレンダー 12月
ヘルシンキ中央駅 国際急行列車シベリウス号
by kiharu-k
| 2007-12-05 19:27
| 日々